テレビ朝日系列 スイスぺ! 藤岡弘、探検シリーズ回想録 Vol.3

「藤岡弘、探検シリーズ第4弾 エチオピア奥地3000キロ幻の白ナイル源流地帯! 古代裸族に人類の原点を見た!」

勇氣、挑戦する心。

 

今回で探検も4回目、毎回、過酷な氣の抜けない旅、南米、アジア、中米に続いて、今回はアフリカ、エチオピアの旅となりました。
今回の探検は、未確認生物を追うものではなく、人類のルーツとも言われるアフリカ、エチオピアを訪れ、文化人類学の世界的権威アルーラ・パンクラスト教授が提唱する、白ナイル川によって、エチオピア南部とエジプトとの間に人や文化の交流があり、今なおその流域の部族には古代エジプト文明の風習が色濃く残されているという説を検証する旅となりました。
                     
探検の旅は毎回過酷な環境の中進んで行きますが、今回の旅も例外ではなく、サソリ、マラリア、ツエツエ蝿、菌の危険も実際に四六時中つきまといました。そして、画面 からはなかなか伝わりにくいのですが、照りつける灼熱の太陽、乾季による水不足、食糧不足、高地のための薄い酸素と、一夜の大雨による河川の氾濫等、言葉には言い表せない非常に過酷なものとなりました。今回の旅でも、病気や毒におかされ、困難な状況に陥りはしましたが、しかしながら、今回立ちふさがった最大の壁は、大自然との戦いでは我々にも少なからず経験があったのに対して、「文化の壁」と呼べる人間との関わりであったのではないかと思います。 今回の旅は、その性質上、数多くの部族との交流が探検の目的達成のためには必要不可欠であったからです。言葉も生活習慣も違う相手とのコミュニケーションは困難を極めましたが、同時に、やはり彼らも人間なのだ、人間の本質はどこに行っても変わらないのだな、という事を改めて思い知った事もありました。 「ドルゼ族ハイゾ村」を訪れた時、そこは葬儀の最中でしたが、村の様子が喜びに包まれていたので、最初は葬式だと気付かなかったほどです。彼らは我々と違って死者を「喜び」の中で送り出すという風習がありました。最初は奇妙な感じがしましたが、彼らとコミュニケーションをとる内に、なぜこんな葬式をするのかがわかりました。彼らは来世を信じ、この世での死は来世への旅立ちであったのです。葬式とは彼らにとって「門出を祝う」事であり、村の人達は喜びを持って、死者を送り出していたのです。「喜びの葬式」の意味がわかった時、最初に抱いた奇妙な感じは消え去り、非常に感動したものです。このように、風習の違いはあっても、彼らの心の中は我々と何ら変わることはなく、むしろ、過酷な自然に生きている彼らや、また、子ども達がよそ者の私達にも一生懸命コミュニケーションをとろうとする姿を見た時は、我々以上に本来の素朴な人間の心を感じさせる生き様をみました。

その一方、過酷な自然の中を生き抜くためには、他部族との戦いに勝利しなくてはならず、「コンソ族カモレ村」では村内に石垣を形成し集落を迷路のようにすることによって敵の侵入を防ぐ自衛の策を長い経験の中から編み出していました。また、先祖代々の勝利のシンボルがずらりと並べられているのを見た時、また、市場ではムルシ族のリッププレートをはめている人達を写 真に撮った際、お金を要求された時は、過酷な大自然で生きることの厳しさ、その中で子どもたちを、子孫を守ってゆくための、したたかさ、力強さを改めて思い知らされました。 「カロ族」の村では、神聖な場所に間違えて踏み入れてしまったり、その他何度も危機に見舞われましたが、成長著しい隊員達は良く奮起し、自らの手で困難を乗り越えて行くことが出来ました。幾度の困難な探検を共にした隊員たちの成長は、隊長の私としては我が子の成長のようで、非常に嬉しいことです。 「スルマ族」の一族の伝統と男としての誇りをかけた「スティックファイト」、「ハマール族」の愛の証明として行われる「ムチ打ちの儀式」と一人前の男として認められる為の「牛飛びの儀式」と興味深く、また考え深い風習に幾度となく出会い、その度に新しい発見と、世界中どの民族も変わらぬ 、子孫を思いやる愛の感動をもらいました。そして、それらを見続ける内に、苛酷な環境の中でも精一杯全力で生きている彼らの姿から、人間が生きる事の素晴らしさ、そして尊さに、強い感動を感じずにはいられませんでした。

私は今回、隊員達1人1人の胸の中に、
もの凄い「感動」という大きな財産を貰ったような気がします。
「生きる」という事は素晴らしい。
人間は凄い。
どんな過酷な状況の中でも逞しく生きる力強い生命力。
「生きている」という事がこんなに素晴らしいのかという事を、
今回、部族達を見て、私は凄く感じさせてもらいました。 生かされている我が命に心から感謝!
                                                 合掌
                                                藤岡弘、


 

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